再生医療における幹細胞治療の4つのデメリットについて解説

幹細胞治療は、従来の医療では難しかった組織修復や機能回復を可能にする、再生医療の新たな選択肢です。再生医療の発展とともに幹細胞治療にも注目が集まり、美容領域でも応用が進んでいます。この治療には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

本記事では、再生医療や幹細胞治療の基本情報と幹細胞治療における4つのデメリット、幹細胞治療を受ける前に確認すべきポイントなどを分かりやすく解説します。自分に合った治療を受けるには、特徴を正しく理解することが重要です。

後半では美容目的で幹細胞治療を検討している方のために、手軽に幹細胞による成分を取り入れる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事で分かること】

  • 再生医療と幹細胞治療の基礎知識
  • 幹細胞治療に期待される主な効果とデメリット
  • 日々のスキンケアで幹細胞の美容成分を取り入れる方法

再生医療とは?

再生医療とは、けがや病気などによって失われた組織の修復や臓器の機能回復を目的とした医療のことです。患者自身やドナーから提供された細胞や組織を加工・培養し、体内へ戻すことで修復や再生を促します。

また人工的に作られた組織や遺伝子技術を応用した治療も、再生医療の一環です。近年ではさまざまな治療でドナー不足が課題となっている中、従来の臓器移植に代わる新たな選択肢として期待が高まっています。

幹細胞治療とは?

幹細胞治療は、患者自身またはドナーから採取した幹細胞を用いて行う再生医療の一種です。採取した幹細胞を培養し、点滴や注射によって体内へ戻すことで、損傷した組織の修復や機能回復を目指します。

幹細胞は、脂肪・骨髄・臍帯・乳歯髄などの組織から採取可能です。幹細胞は、自分と同じ細胞を生み出す「自己複製能」と、血管・心筋・軟骨・脂肪細胞などの別の種類の細胞へと変化できる「多分化能」を持っています。幹細胞の持つこの2つの能力は、さまざまな医療現場での応用が進んでいます。

再生医療に用いられる幹細胞には、多能性幹細胞・組織幹細胞の2種類があります。また多能性幹細胞は大きくES細胞とiPS細胞の2つに分けられます。それぞれの特徴は以下です。

ES細胞(胚性幹細胞)

  • 受精卵の分裂段階で採取された胚を基にして作られた細胞
  • あらゆる細胞に分化できる
  • ほぼ無限に増殖し続けられる
  • 他人の細胞から作られるため、免疫拒絶が生じるリスクがある
  • 腫瘍化・がん化のリスクがある

iPS細胞(人工多能性幹細胞)

  • ヒトの皮膚などから取り出した細胞に特定の遺伝子を加えて、培養して作られた細胞
  • さまざまな細胞に分化できる
  • ほぼ無限に増殖できる
  • 患者本人の細胞を材料として作るため、免疫拒絶が生じるリスクが低い
  • 細胞の性質が安定しにくい
  • 腫瘍化・がん化のリスクがある

組織幹細胞

  • ヒトの組織に存在し、組織の修復や維持に関わる細胞
  • 特定の細胞タイプに分化できる
  • 増殖できる回数には限りがある
  • 患者本人の細胞を材料として作るため、免疫拒絶が生じるリスクが低い
  • 体内に存在する量が少なく、体外で増やしたり維持したりすることが難しい

ES細胞やiPS細胞は、さまざまな細胞へ分化できる高い能力と増殖力を持つ一方で、腫瘍化やがん化のリスクが指摘されています。対して組織幹細胞は増殖・分化に限りがあるものの、免疫拒絶が起こるリスクが少ないという特徴があります。

幹細胞治療に期待される効果

幹細胞治療に期待される代表的な効果をご紹介します。

組織修復・抗炎症作用への応用

幹細胞治療は、組織修復と抗炎症作用への応用に効果が期待されています。

前述の通り、幹細胞は自分と同じ細胞を増殖させる能力と、異なる細胞に分化する能力を持っているのが特徴です。この能力を生かし、損傷した組織や臓器の修復をサポートできると考えられています。

また幹細胞には、炎症の原因となる物質の働きを抑える作用があるとされており、慢性的な炎症を伴う疾患への応用も研究されています。

幹細胞治療の応用が期待されている疾患の例は以下の通りです。

  • 肝機能障害
  • 腎疾患
  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 脳梗塞
  • アルツハイマー病
  • COPD・間質性肺炎
  • 肝炎・肝硬変
  • 脊髄損傷
  • 関節の痛み
  • ⾻粗しょう症
  • 皮膚疾患
  • 血管系疾患
  • 更年期障害
  • スポーツ外傷 など

なお実際に治療可能な疾患は医療機関の届出の内容によるため、あくまでも例として捉えておいてください。

美容医療領域への応用

美容医療領域でも、幹細胞治療は幅広い効果が期待されています。

美容医療領域において、幹細胞には、肌の弾力や潤いに欠かせないエラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸を生成する「線維芽細胞」の働きをサポートする可能性があるとされています。線維芽細胞は年齢を重ねるとともに減少しますが、幹細胞治療により線維芽細胞へのアプローチが進めば、肌の弾力や潤いのケアにつながる可能性があると研究されています。

またターンオーバーの正常化によるシミ・くすみへのアプローチ、肌本来のバリア機能をサポートすることによる肌状態の維持なども、幹細胞治療において研究が進んでいる分野です。

幹細胞治療はメスやレーザーを使用しないため、ダウンタイムが比較的短いとして注目を集めています。患者自身の細胞を利用することが多いので、一般的な美容医療と比べて、拒絶反応やアレルギー反応といった副作用が起こりにくいとされていることも、幹細胞治療が注目されている理由の一つといえるでしょう。

幹細胞治療のデメリット

さまざまな医療現場で応用されている幹細胞治療ですが、デメリットも存在しています。ここからは、幹細胞治療のデメリットを4つ見ていきましょう。

効果には個人差がある

幹細胞治療のデメリットの一つは、効果に個人差があることです。

幹細胞治療は細胞の状態や患者の体質が大きく影響します。従来の薬物治療ほどの効果の安定性があるとはいえません。そのため期待した結果が得られる場合もあれば、思うような変化が得られないケースもあります。

即効性は期待できない

即効性が期待できないことも、幹細胞治療のデメリットです。

一般的な薬物治療では、解熱鎮痛剤などを服用すると、比較的早い段階で発熱や痛みが和らぐことがあります。また美容医療の分野にも、ヒアルロン酸注入のように、施術直後から変化を実感しやすい治療が存在します。

しかし、幹細胞治療は培養した幹細胞を体内に注入したからといって、すぐに変化が現れるものではありません。変化が出るまでの期間は個人差がありますが、数カ月程度かかるケースや複数回治療を受けなければならないケースもあります。

加えて治療の前段階として幹細胞を培養するプロセスが必要になるため、治療開始までに時間がかかってしまいます。

費用が高額になりやすい

費用が高額になりやすいことも、幹細胞治療のデメリットの一つです。

一部の疾患を対象とした治療を除き、幹細胞治療は保険適用外です。どのような治療を行うのかにもよりますが、治療費は数十~数百万円、場合によっては1,000万円以上に及ぶこともあります。

前述の通り、複数回治療を受けなければならないケースもあるため、費用面での負担が大きくなりやすい点は把握しておく必要があるでしょう。

保険が適用となる治療の場合でも、元々の治療費が高いので自己負担額は大きくなりやすいです。ただし、この場合は高額療養費制度の利用によって、一定額まで負担を軽減できます。

場合によっては感染症リスクがある

感染症のリスクがゼロではないことも、幹細胞治療のデメリットといえるでしょう。

多くの医療機関では、安全性を確保するために幹細胞の培養環境や移植時の衛生管理を徹底していますが、医療行為である以上リスクを完全に防ぐことはできません。例えば細菌やウイルスが混入し感染症を引き起こしたり、幹細胞によるアレルギー反応が出たりする可能性があります。

このようなリスクを避けるためにも、治療を受ける際は万が一の際のフォロー体制が整っている医療機関を選ぶことが重要です。

幹細胞治療を受ける前に確認すべきポイント

幹細胞治療を検討する際は、まずご自身の疾患やお悩みが治療の適応となるかどうかを確認することが大切です。

対象となる疾患や期待できる変化が限られているため、場合によっては治療が難しいこともあります。また施術箇所の状態によっては、期待するほどの結果が得られないかもしれません。

その他にも注意すべき点があるので、まずは医師に現在の健康状態を正確に伝え、治療の可否やリスクについてしっかりと確認しましょう。

幹細胞治療の流れ

幹細胞治療は、以下のような流れで進められるのが一般的です。

  1. 診察・カウンセリング
  2. 血液検査
  3. 脂肪組織などの採取
  4. 幹細胞の培養
  5. 幹細胞の投与
  6. 定期検診

幹細胞治療では、患者本人が感染症にかかっていないか確認するため、血液検査が行われます。血液検査で問題がなければ脂肪組織などを採取し、そこから幹細胞を取り出して培養を行います。

培養にかかる期間は、3〜6週間程度が目安です。十分に増殖できた段階で点滴や注射などを用いて幹細胞を体内へ戻し、組織の修復・再生を促します。

医療機関によって詳細な手順が異なる場合もあるので、実際に治療を受ける際は事前に流れを確認しましょう。

美容目的なら幹細胞コスメを利用するのもおすすめ

近年では美容目的で幹細胞治療を受ける方も増えてきています。しかし、結果の出方には個人差があり費用が高額になりやすい上、一定のリスクも伴うため興味はあってもなかなか踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。

「肌を整えたい」「肌の悩みをケアしたい」という方は、スキンケアに幹細胞コスメを取り入れることから始めてみるのも一つの方法です。

幹細胞コスメには、幹細胞そのものではなく幹細胞を培養する際に得られる「培養上清液」が配合されています。培養上清液には、肌のうるおいや状態を整えるとされる多様な成分が含まれているのが特徴です。これらの成分によって肌のハリ・ツヤ、キメを整えるスキンケアとして注目されています。

幹細胞コスメには、ヒト由来の幹細胞コスメ・植物由来の幹細胞コスメ・動物由来の幹細胞コスメがありますが、中でもヒト由来の幹細胞コスメは、植物・動物由来と比較して研究が進んでいるとされています。ただし体質によっては肌に合わない場合もあるため、使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。まずはヒト由来の幹細胞コスメを検討してみると良いでしょう。

まとめ


幹細胞治療は、損傷した組織の修復や抗炎症作用へのアプローチに加えて、美容医療領域での活用も研究されている治療法です。現在も研究が進められており、今後さらに適用範囲が広がることが期待されています。

一方で、結果の出方には個人差があること、変化が出るまでに時間がかかる場合があること、費用が高額になりやすいこと、そして感染症リスクがゼロではないことなど、注意すべき点も存在します。治療を検討している方は、これらのデメリットも踏まえた上で、自分に合った治療の選択をしましょう。

美容目的で幹細胞治療に興味があるものの、踏み切れないと感じている方は、幹細胞コスメを日々のスキンケアに取り入れてみるのも一つの選択です。

エテルナムの幹細胞コスメは、品質を4段階で確認するプロセスを設けて製造しています。幹細胞による成分を手軽に取り入れてみたいという方は、ぜひエテルナムのスキンケアアイテムをチェックしてみてください。